Kouki's idol note

アイドル・芸能・音楽について、備忘録的に。

ある日のこと

繁華街に出た。切符を買う段になっていつもの値段で買い、どのルートで行くか決めかねながら乗った。あるとき、精算機を使えば乗り継ぎができるのではないかと気付き、当初の予定通りの道順で行けた。駅を降りると、目的に場所に近い出口がわからない。結局かなりの遠回りをする羽目になった。しかし、西口から東口に出るのに外に出ないでいける新しい行き方(デパートのわきにある道を辿ればよかったのだ)を発見した。気になるのは今後いざその道を実際に必要な時に思いつけるかということだが、正直自信がもてない。そして、用事をこなした。次に今まで通った事のない道を行く。さっき寄ったファーストフードの別のチェーン店、本屋のトイレ、地下鉄に入ってもゴミ箱がない。ふと見つけた時に捨てて置けばよかったと思う。仕方なくジュースカップを足元に置く。いつまでも持っているのが恥ずかしい気がしたのと、メトロに抗議の意味を若干こめてだ。少し後ろめたい気になるのと同時に終電までこのカップはひとところに立っていつづけることができるのかを想像する。ラッシュアワーになり、動作に気の使わないサラリーマンが蹴とばすところを想像する。そして、むかしひとけの少ない電車のなかで、誰も拾われずにコロコロと転がってゆく缶があったことを思い出していた。少ない乗客の誰もがその存在を認めながらあたかも存在していないかのように振舞いつづけるあの時間のことを思い出していた。多くのひとびとが一瞬視線を向けたか向けないかで、再びおのおのの暇潰しの道具との戯れに戻る。僕があのカップを置いたのを知る者は少なく見積もれば正面にいた三人だ。全員サラリーマンだった。一人は途中で降りていった。そして、自分の目的の駅に着く。残った正面に座っていた二人のことを考えながら降りる。外見などは見なかったし読書していたのと別の考え事をしていたのでまったく覚えていない。降り立った駅は今日家から来るルートではない、別の乗車位置から乗ったので、降りた地点も変わっている。そこには初めて見る感覚が広がっている。ここは本当に目的の駅だったのだろうか?いつもの駅なのだろうか?とふと思う。ホームから出口に行く途中でホームレスなのかよくわからない人が行き倒れているのか寝そべっているかしていた。この駅で見たのは初めてだ。
そしてもう一つの用事をこなす。蒸し暑いので店に涼みに入りながら目的の店に向かう。
4軒廻ろうとした店のうち、1軒は通りをはさんでおり疲れていたのでやめ、訪れた最初の店は狭めの空間だった。

 1900円(中古)で売っていた。

次に寄った1軒は昔のビデオだけを扱う店で音とびしたCDを延々とかけ続けていた。あるいはそれは延々とではなかったかもしれない。ぼくが滞在した時間は正味3分もないくらいだった。CDはまったく規則的に寸分も違わぬ間隔を置いて、つまりは同じリズムで少しのあいだ再生しては沈黙を告げながら音を発したり途切れさせたりしていた。それはKID606やましてやprefuse73のようなエレクトロニカではもちろんない。ジャンルなどは今ではまったく思い出せない、要するにありふれた音楽だったのだろう。そこにいたもう一人だけの中年の男性客はそんな音飛びには意に介さず、ヨーロッパの70年代の廃盤ビデオの隣あたりを眺めまわっていた。そう、それはへんなことなどなにひとつ起こっていないかのように。もちろん僕も同じように振る舞い、店員の顔も窺わずに店を後にした。予定の3軒目は見つけられなかった。最後の店は既に訪ねていた店だった。そこでは入る時に中年のサラリーマンがカバンからモノを出し売りに出す査定をしようとしていたところだった。すれ違いざまにそのサラリーマンと目が合った。店の奥に入る、会話が聞こえた。何を売るのだろうと気になったが会話はもはやどうでもよくなった。というのもすでにラジオが、他人事のように「戦争をするのが好きな人たちがいるんですねえ、云々」と、どこかの迷惑なひとを呆れるように、本心なのか演技だかよくわからない嘆きのようなものをのたまうキャスターの、手馴れたような仕事ぶりを店のなかにすみずみに、そして確実に僕の頭にも満たしていったからだ。ちなみに店で扱うものに政治に関わるものはほとんどなかったように思う。近いものをあげるならば「よくわかる 太平洋戦争」だとかの、ミリタリーマニア向けの本があって、何冊かをおくとすぐにガンダムもので溢れていた。その裏にはアイドルの古雑誌が一品一品透明なビニールでラッピングされ、その裏側にはアダルト雑誌が壁一面に埋まっていた。そしていま、昨日探しものをしていた流れで押入れの中の雑誌のタワーを片付ける羽目になったことを思い出す。良好な保存状態を保つには全ての雑誌にビニールの包装と縦に置ける本棚が必要で、かつその気の遠くなるような作業量のことをぼんやりと想像してみる。そもそも良好な保存状態を保つべき雑誌とはなんだろう?と。

Buongiorno [DVD]

Buongiorno [DVD]

 三井智映子のDVDが2800円(中古)で売っていた。

最後に大型の店を3軒巡る。
アイドルのムック本?をナナメ読みする。セントフォース特集の傍らに'05ミス・準ミス上智がこれからくるとかいう記事を読む。社長はどういう人かという小見出しが気になったが社長のインタビューはなかったような気がする。グルメ雑誌に行く。近所の特集を読む。候補に2軒入れる。『SWITCH』を見る。今朝偶然家の者と話していたせいもあって観音開きの本棚が欲しくなる。たしかに黒は良さげで真似してみたい。男性誌を見る。リーガルの靴が載っているが頑張っても手を出せるのはこれくらいだろう。ニューバランスのレザースニーカーが載っていて欲しくなる。直木賞をチラ見するが疲れていて文章が入ってこない。最後の店の地下に降りる際にすれ違った人は電話で揉め始めていた。TV誌のコラムをまとめた本を読む。帰るときに最後に渡る横断歩道を交差点で待つ。すると、最初に寄ったファーストフードの同じチェーンのジュースカップがすぐそばに転がっていた。風に揺れて動いていただろうか?よく思い出せない。赤いストローがこちら側に向いていた。青に変わるまでしばらく眺めていた。カップにひもをくくり、それをひきずって犬のように扱って散歩する人のことを想像する。地下鉄に入るとさっきの人はいなくなっていた。