［雑誌］アップトゥボーイ10月号vol.176

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表紙は夏帆。キャプションは「これが美少女世界基準！」記事タイトルには「最高の笑顔に大接近」と添えられてある。世界基準という単語を雑誌のラインナップに外国人美少女が収められていない中で適切とするかどうかはさておくとして、口角を引いた笑顔と曲げた膝の上に乗せて表向きにして渡した二の腕の白さが印象的な表紙写真である。
肘のくぼみ、いわゆる腕の節を露出させるポーズはこれから採血かと思わせる、ということはないが前腕と上腕の白さ、黒髪、フォントの紫、紺のキャミソール、ロングスカートの青の模様にしばし注目していれば、鑑賞者は日本の浴衣の正統派な色使いから和の夏のイメージを連想可能なものにする。
そうした色使いに和風を、着るものは洋服でという構図と、『夏帆』という漢字で苗字のない芸名にみられる和洋折衷具合といい、この表紙の画像imageでもって日本そのものを直喩していると言って差し支えないかもしれない。この衣装で撮影された九頁の立ち姿に見られる体形や頬肉の作る陰影などは成長の跡と変化を窺わせるものである。なおスリーサイズは表記されていない。
また付録のDVDでは最高の笑顔に大接近というよりはむしろぽーっとしている表情とそれに端を発しての次々に写真を撮られるときの演技性からくるグラデーションのような外見上の淡いになにかを感じさせるものこそ彼女らしい固有のuniqueもので、なおかつ最も魅力を発している時間の一つだと思う。
なお他には℃-uteや平田薫のグラビア・メイキング映像も収録されており、こちらについては後日記してみたいと思わせる、いずれも資料性・再見に値する出来のものである。